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2025.07.17 イベントレポート

mizchi氏による Claude Code ハンズオンを開催

by kohei okazaki

#llm #ai #claude-code

こんにちは、岡崎晃平です。先日DeNAラウンジにて、AI駆動開発の第一人者として知られる mizchi 氏を講師に迎えた Claude Code ハンズオンセッションを開催しました。17:30~20:00の2時間半にわたって実施され、参加者は200人を超え、Claude Code 経験者と未経験者が混在する勉強会となりました。今回はその内容についてレポートしたいと思います。

勉強会概要

講師の mizchi 氏は、著名な記事「 CLINEに全部賭けろ 」でAI駆動開発の可能性を提唱し、開発者コミュニティに大きな影響を与えています。

今回のハンズオンでは、参加者が集中して学習できるよう、オンサイト参加者にはClaude Proのアカウントを、オンライン参加者には Anthropic API 及び Amazon Bedrock経由でのClaude 4 Sonnet APIアクセスを提供しました (バックアッププランとして Google Cloud VertexAI も準備)。

DeNAではGitHub Copilot、JetBrains AI、Cursor、Cline、VertexAI、Amazon Bedrockなど、さまざまなAIツールを利用しています。今回は、普段異なるツールを利用している参加者全員が Claude Code を体験できるよう、会社から参加者にClaudeCodeが提供されました。

ハンズオンの内容は、mizchi氏の ai-coding-guide-202507 をベースに、環境構築から始まる段階的な学習プロセス、Todo アプリケーションの作成、そしてVampire Survivor(大量の敵を倒し続ける人気のアクションゲーム)風ゲームの開発体験まで幅広く実施されました。「答えが既に実装されているリポジトリは使わず、ゼロから実装して学習プロセスを体験する」という方針で進められました。

会場の様子

今回はオンサイト参加者約30名、オンライン参加者170名を超える大規模なハンズオンとなりました。セミナールームでは、mizchi氏が前に座って講師を務め、参加者の皆さんが黙々と Claude Code を使ったハンズオンに取り組む姿が印象的でした。

mizchi氏による講義の様子

会場では、参加者の皆さんがmizchi氏の解説に耳を傾けながらも、黙々とPCに向かい、Claude Code がもたらす新たな開発スタイルを体感している、そんな雰囲気を感じました。

参加者の皆さんの学習の様子

参加者の作品紹介

個性的なTODO CLIアプリ

ハンズオンでは、参加者の皆さんが実際にTODO CLIアプリを作成しました。同じ課題でも、それぞれの参加者が作り上げたアプリは個性豊かで、AI駆動開発でも創造性が発揮されることがよく分かりました。

参加者が作成したTODO CLIアプリ 参加者が作成したTODO CLIアプリ

短時間でこれだけ機能的なCLIアプリが作れてしまうのは、やはりAI駆動開発の力を感じます!

新卒参加者によるVampire Survivor開発プロセス

続いて、より複雑なゲーム開発にも挑戦しました。ここでは、勉強会に参加した新卒の方が Claude Code を使ってVampire Survivor 風ゲームを作成している様子を例として紹介します。

改善前の初期段階

改善前のVampire Survivor 風ゲーム

まず最初は基本的な機能から始まり、その後 Claude Code との対話を通じて徐々に機能を追加・改善していきます。以下は、実際に Claude Code とやり取りしながら段階的に開発を進めている様子です:

Claude Code との対話による段階的改善プロセス

ゲーム開発プロセス - 初期段階 ゲーム開発プロセス - 機能追加段階 ゲーム開発プロセス - 完成段階

このように、Claude Code との対話を通じて基本的な機能から始まり、徐々に機能を追加・改善していく様子が見事でした。

改善後の最終段階 改善後のVampire Survivor 風ゲーム

新卒の方でも、段階的に問題を分解して Claude Code に伝えることで、これだけクオリティの高いゲームを完成させることができました。

その他のゲーム開発

参加者が作成したRoguelikeゲーム

他にも様々なゲーム開発に挑戦した参加者がいて、短時間でクオリティの高いゲームが作れることに、皆さんも手応えを感じている様子でした。

参加者の反応

参加者の約半数が Claude Code 経験者、残り半数が初心者という構成で、様々な技術背景を持つ開発者が参加しました。ハンズオンを通じて、AI駆動開発の実用性や既存の開発プロセスとの比較について活発な議論が交わされました。

例えば、「AIは環境構築が苦手なため、『環境自体がプロンプト』と捉えて、AIに余計な情報を見せないクリーンな環境を用意することが重要」といったmizchi氏の知見共有がありました。他にも、「AIが生成したコードを鵜呑みにせず、テスト駆動開発(TDD)のサイクルを回すことで、AIの『ズル』や間違いを検出し、品質を担保する方法」や、「大規模な既存システムにどうやってAI駆動開発を組み込むか」といった、より実践的なテーマについても意見が交わされました。

参加者からは「実際の開発プロセスを通して理解が深まった」「従来のツールとは異なる可能性を感じた」「コスト負担を気にせずに試せたのが良かった」「部署でも活用してみたい」といった声が寄せられ、実践的な学習機会への評価とともに、学習環境の充実度や今後の活用への関心が多数示されました。

感想

AI駆動開発の最前線で活躍するmizchi氏から直接学ぶ貴重な機会となりました。参加者の多様な背景と活発な議論を通じて、AI駆動開発の現状と可能性について理解を深めることができました。

たとえ今すぐ導入できない手法であったとしても、数年後には浸透して標準になっている可能性があります。今回は開発者として、アンテナを絶やさず幅広い情報のキャッチアップができるとてもいい機会でした。参加者として、このような学習機会に触れることができて非常に有意義でした。

このような技術交流の場は、急速に進化するAI技術への理解を深める上で重要な機会となっており、今後も継続的な学習と技術交流を通じて、AI時代の開発手法について探求していきたいと思います。


参考資料


このブログは2025年7月10日に開催されたmizchi氏による Claude Code ハンズオンセッションの実施レポートです。ハンズオンの詳細については mizchi/ai-coding-guide-202507 をご参照ください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
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