こんにちは、オープンプラットフォーム統括部で iOS エンジニアをしている高嶋です。
私は新卒 2 年目として 2024 年度の新卒エンジニアの研修でプレメンターを務めました。
この記事ではエンジニアの研修にプレメンターとして関わって経験したことや学びをお伝えしていきたいと思います。
はじめに
新卒エンジニア研修は新卒エンジニアを対象とした 3 ヶ月間の研修です。コンピューターサイエンスや Web アプリに関する研修と並行して実際に社内で利用されるプロダクトを開発するプロダクト開発研修を行います。
プレメンターとは
この研修期間中につくメンターのことを、「部門配属後のメンターの前につくメンター」としてプレメンターと表現しています。プレメンターは、基本的に昨年の研修生である新卒 2 年目が担当します。自分が受けたサポートを後輩に引き継ぐことで、研修のサイクルが自然に回り始めます。同じ研修を受けた年齢が近いメンターだからこそ、入社したばかりの新卒も親しみやすく、的確なサポートが可能です。また、自分が受けた研修を違った視点から振り返ることで、新たな気づきや学びを得ることも期待されています。
新卒研修のフォロー体制
この図は人数を一部省略しています。
プロダクト開発研修では新卒エンジニアが 8 人程度のチームに分かれて開発を行います。
チームにはチームメンターがつき、チームメンターは開発するプロダクト周りのサポートやチーム全体のマネジメントを行います。
またチーム内の 2 人 x4 ペアに対し、それぞれプレメンターがつきます。
プレメンターの役割はメンティーが自律的かつ内発的に「こと」に向かうサポートと精神的な支援です。『「こと」に向かう』は DeNA で大切にしているバリューの一つで、本質的な価値を提供することに集中するということを意味しています。DeNA では『「こと」に向かう』ことを意識した研修が行われています。
プレメンターがやること
プレメンターが主にやることは、研修期間中週次での 1on1 と同じチームのメンターが集まる共有会の 2 つです。
1on1 で話す内容は特に決められていませんが、私は研修や配属に関して感じていることや日々のコンディションなど個人に焦点を当てた話をすることを心がけていました。
共有会ではチームメンターと、プレメンター 4 人で週次でそれぞれのメンティーやチームの状況について共有を行ないます。この時間でチームの課題の共有やメンターをやる上で悩みを相談することができました。また他のメンターの取り組みを聞くことができ良い刺激を受けていました。
プレメンターをやって学んだこと
プレメンターをやった 3 ヶ月間の中で私自身も色々なことを経験しました。その中でも特に印象に残っている情報共有の重要性とメンティーの悩みとの向き合い方について紹介したいと思います。
情報共有の重要性
メンティーから相談された悩みにどのようなアドバイスをするか迷った時には、共有会で相談をすることができました。チームの状況や他のメンティーが感じていることを聞くことで、自分自身の考えの幅が広がり、結果としてより良いアドバイスを提供できたと感じています。悩んだ時に 1 人で考えるだけでは限界があるため、意見交換と情報共有は非常に有意義でした。
特に私が情報共有や相談の重要性を実感したことはスクラム開発の中でステークホルダーとの意見の不一致と開発の手戻りが大きな悩みとなっていた時期のことです。開発するプロダクトのゴールがステークホルダーと一致していなかったため、開発した機能を見せてもその機能の必要性について共感が得られず、プロダクトオーナーを担当していたメンティーが 1 人で抱え込んでしまいチームのメンバーやステークホルダーにどのように相談するべきかがわからなくなってしまうということが起きていました。この話を聞いて機能を開発する根拠とステークホルダーとのプロダクトのゴールのすり合わせの不足が大きな課題だと感じました。
ですが、どのようにアドバイスをするべきか迷いチームメンターに相談をしました。チームメンターもチーム全体を見ていて同じようにステークホルダーとのコミュニケーションの不足を気にかけていたようで、コミュニケーション量を増やすように言った方がいいと助言をしてくれました。
相談後の 1on1 でメンティーに対しステークホルダーとのコミュニケーションを増やしてみるのがいいのではないかと提案しました。メンティーはステークホルダーとのコミュニケーションに少し壁を感じていたことを打ち明けてくれどのようにコミュニケーションを取っていくかを一緒に考えました。また、やってみないとその効果を実感することはできないため、まずはやってみてほしいということを伝えました。
その後メンティーが実際に提案を行動にうつしてくれてステークホルダーとのコミュニケーション量を増やしたことでプロダクト開発とチーム全体がうまく回るようになったと報告してくれました。
課題と感じたことに対してのアドバイスの仕方を迷った時には周りの人に情報共有や相談をすることで同じ課題感を持っていることを知り、どのような方法をとるべきか一緒に考えることができました。これは初めてプレメンターをする私にとってすごく心強いことでした。
メンティーの悩みとの向き合い方について
メンティーと定期的に 1on1 をする中でメンティーの悩みを聞くことが多くあります。
私も去年新卒として研修をしていたので、研修の中で遭遇する悩みに関して共感できることがありました。その際には当時の自分がどのように対処していたかを思い出しながら話をしたり一緒に考えたりできました。
ですが、私が悩まなかったことで悩んだり、私の経験だけでは解決策が思いつかない悩みを聞いたりすることも多くありました。
特に配属やキャリアに関する悩みについては、どのように話すべきか悩むことが多かったです。私はまだ新卒 2 年目なので自分の経験に基づいて話せないことも多いです。そのような時は相手の立場に立って話を聞きながら相手の状況や考え方を理解し、メンティーと一緒に考えることを重視していました。自分自身悩みがあった時に人に話を聞いてもらって自分の考えを整理できた経験があったので、この方法でコミュニケーションをとっていました。1 人で考えるのではなく一緒に考えることによってメンティーも自らの考えを整理し、解決策を見出す手助けをすることができたと思います。
このように、解決することが難しい悩みについて相談された際には、相手の視点を尊重し、共に考える姿勢を持つことが重要だと感じました。プレメンターとしてメンティーの悩みと向き合うという経験は、自分と違う考え方を持った相手との向き合い方について考えるとても良い機会となりました。
おわりに
新卒エンジニア研修でのプレメンターは私にとって新しい挑戦でしたが、すごく貴重な経験になりました。同じチームのメンターやチームメンターとの情報共有や相談を重ねることで、問題解決に向けたアプローチの幅が広がり、より良いアドバイスを提供できるようになったと感じています。また、メンティーの成長を間近で見ることができたことは、私にとって大きな喜びでした。ステークホルダーとのコミュニケーションを増やすことが、開発スピードの向上に繋がったというメンティーの言葉は、アドバイスしたことが研修で活かされたことを実感でき私自身の励みになりました。またメンティーに対して「まずはやってみること」の重要性を伝えることができたのがとても嬉しかったです。
メンターとしての役割は、単に知識を伝えるのではなく、自分自身も成長できる貴重な機会です。メンティーの成長を支えることで、自らの成長にも繋がることを心から実感したこの経験を、今後のキャリアに活かしていきたいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
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