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2022.09.07 新卒研修振り返りレポート

【結果編】『ようこそ不確実な世界へ』DeNA新卒エンジニア研修の設計方針

by kocchi

#on-boarding #software-architecture #deq #training #go #typescript #react #linux #ci/cd #circleci

こんにちは CTO室の @kocchi です。 4月から7月まで新卒入社したエンジニアの皆さんに向けて研修を実施していました。

前回の記事 で、

  • 4月から働き始めたエンジニアの皆さん
  • DeNAのエンジニア研修に少しでも興味を持っていただいている方

に向けて、エンジニアの学習について何が重要だと考えているのか、それをもとにどう研修設計をしているのかをお伝えしました。本記事では、新卒研修を経てどのような結果になったのかを伝えます。

アンケート結果

全体の満足度/推奨度

トータルでの満足度は、NSAT(Net Satisfaction)で151.5、推奨度は、NPS(Net Promoter Score)で+51.5でした。

満足度では、33人中19人が非常に満足とし、2名が「どちらでもない」。 推奨度では、33人中20名が推奨グループ(0~10の11段階中9,10を選択)し、3名が批判グループ(0~6を選択)となりました。

Graph Score 目標
NSAT 151.5 =
非常に満足の割合(%) - 中間以下の割合(%) + 100
140
NPS +51.5 =
推奨グループの割合(%) - 批判グループの割合(%)
+43 (前年度)

タームごとの各指標推移

本研修では、NSATが140以上になることを全編通して目標にしていました。

Term Title Overview
1 チームでの学習の前提を学ぶ ドラッカーエクササイズ、Fun・Done・Learn による振り返り、DeNAのエンジニアとして大事にしたい価値観を知る
2 変わらないものを学ぶ コンピューターサイエンス ( CS )
3 変わり続けるものを学ぶ Webアプリケーション開発スキル
4 価値を共創することを体験する - 前半 デザインスプリント
5 価値を共創することを体験する - 後半 スクラム開発
指標 Grapth
満足度
難易度
理解度

よかったこと / のびしろ  / 問題の原因と次回へのアクション

Term1 - チームでの学習の前提を学ぶ

スコアを見てみると、満足度・理解度共に一番低いタームになってしまいました。

コンテンツ自体はチームで仕事する上で必要な、心理的安全性や継続的な振り返り手法、DeNAのエンジニアとしての共通言語と価値観の理解を促す導入ワークを1日で行うというものでした。

全体を通しても言えることですが、なぜこのワークが必要なのかという説明に十分な時間をかけれなかったことが大きな要因と考えています。ボリューム的にも、重要度的にも、2~3日かけてワークを行っても良かったかも知れません。

加えてワークの時間配分を十分にシミュレーションできておらず、本来ワークにおいて得たかった結果を十分に得られなかったことも要因です。

■ 問題の原因

  • 設計段階でのコンテンツのシミュレーション不足
  • 研修の目的、意義や背景、価値観理解のための、社員との対話時間の不足
    • 最初の運営との関係構築が不十分だったため、その後のやりとりにも繋がりにくかった

■ 解決に向けたアクション案

  • 目的、研修の目的、意義や背景、価値観理解のための時間は十分にとる
  • 社員との対話を増やし、関係の質を向上させてから研修に入っていく

Term2 - 変わらないものを学ぶ

カリキュラムの難易度に一番ばらつきがありつつも、理解度では半数以上が「よく理解できた」と回答し、満足度も一番高いというタームになりました。今までコンピューターサイエンスを学習していた人にも、そうじゃない人にとっても有意義なタームになったようです。

よかった要因としては、「今後のソフトウェアエンジニアの長いキャリアで難しい課題に直面した時、超大規模システムや高信頼性システムの要求に真っ向から立ち向かうにはどのような知識が必要になるのか」を考えることで、学習するモチベーションにつながったのではないかと考えています。

Term3 - 変わり続けるものを学ぶ

数値的には、NSATが130.3と、目標においていた140には届かずという結果になりました。 このタームにおいては、GolangやReactを使ったウェブアプリケーション開発を学ぶことがメインになっていました。今期DeNAに新卒入社したエンジニアたちはGolang/Reactの経験者が多かったこともあり、「退屈に感じてしまった」「学習の自由度がなかった」という声もありました。

このタームだけでははなく全編通してですが、5~6人のチームを組み、その中で助け合い、チーム全体としての理解向上に努めるという方式をとっていました。このタームでは特に、得意不得意のギャップが激しいため、モブワークでの教え合いが多く発生していました。うまく噛み合っているチームも、教えてばっかりの人が出てしまうような組み合わせも発生していました。

■ 問題の原因

  • Web開発に慣れたエンジニアにとって、新しい学びが少なかった

■ 解決に向けたアクション案

  • 多くの人が未経験な技術領域を学習する
  • 選択制にして、自分が詳しい領域は研修で取り組まない
  • 上記を考慮した上で、教え合いが発生するような枠組みへ

Term4 - 価値を共創することを体験する - 前半(デザインスプリント)

「価値を共創することを体験する」タームでは、社内の顧客が欲しがっているをプロダクトのアイディアを6つ事前に用意し、その中から、各人なにを開発したいかをアンケートで集計してチーム分けしました。 プロダクトアイディア

粗目めのニーズが与えられた上で、顧客が真に欲しているものは何か、具体的に何を作るのかをデザインスプリントで言語化していくのを体感するのがTerm3です。

NSATは目標の140に届かず、121.2という結果でした。

コメントで多かった意見として、「デザインスプリントのワークの意図が読めないまま進んでしまっていた。」というものでした。

意図を説明するということ自体は、設計には織り込まれていたのですが、いざ実施してみると、時間的制約がある中で、理解するまで説明することが難しかったです。

本来、デザインスプリントは納得いくまでスプリントをやり直すのですが、研修という立て付けの中1スプリントしか予定には組み込めませんでした。

あくまで研修として学ぶのか、「より良いプロダクトを考えるのか」。どちらも大切ですが、研修運営としてスタンスを切れていなかったのが大きな要因だと考えています。

Term5 - 価値を共創することを体験する - 後半(スクラム開発)

デザインスプリントで作ると決めたものを、実際に作っていくのがTerm5です。計15日でスクラム開発を行いました。

NSATでは目標を大きく上回る160.6という結果になりました。 主な要因としては、実際に社内で運用できるプロダクトを作ったため、社内での期待する人も多く、最後の成果発表会で大いに盛り上がったのが数字に反映されていると考えています。

一方で、スクラムの理解や学習については、事前に用意されたカリキュラムでは理解するに至らないケースが多かったのが定性コメントからは読み取れています。研修途中で「スクラムガイド」の読み合わせをしたり、補足を多く入れるようにテコ入れを行ったりもしました。

■ 前半、後半通した問題の原因

  • ワークにうつる前の事前説明不足
    • デザインスプリント設計のすり合わせ不足
  • ワーク内容に精通した講師アサインが徹底できていなかった

■ 解決に向けたアクション案

  • 説明・理解のInputフェーズと、実行のOutputフェーズを分ける
  • スクラムコーチ|デザインスプリントコーチの有資格者を最低1人アサインすることを徹底

全体を通して

全体を通してよかったこととしては、

  • 全体のカリキュラム構成
  • 日次の振り返り
  • CTO室メンバーとの1on1
  • アンケートを元にした運営改善

などについてのコメントがありました。

逆にのびしろとしては、

  • コンテンツの準備不足
  • スケジュールが詰め込まれすぎていた
    • それにより自主性が発揮しにくかった

などが挙げられました。

■ 問題の原因

  • 研修準備する期間を十分にとれず、すべてのコンテンツの準備が研修開始前に終わらなかった
  • 研修で体験・学んでほしいことを理解し・実験するには余白が必要だが、コンテンツを詰め込み過ぎていた

■ 解決に向けたアクション案

  • すべての研修コンテンツは研修開始前に終え、反応を見てチューニングできるようにする
  • 前半講義で後半は完全に自由時間にする等、カリキュラムに余白を多くする

得られた教訓

運営チームも交えて振り返りも行いました。今回の研修を経て、得られた教訓は多々ありますが大事だと感じたのは、

  • 余白を多くとるべし
    • 背景理解のための既存社員交えた対話時間や、実験できる時間を確保するため
  • より技術レベルや知識に差があっても楽しめるように設計するべし

ということでした。23新卒のエンジニア研修では、今回気づけた問題やアクション案や教訓を活かしていきたいと思います。

問題にフォーカスした記事にはなってしまいましたが、全体としては満足度、推奨度共に目標達成することができました。

研修生自身がどう考え、どんな学びがあったのかは別途レポートが執筆されてますので、そちらもぜひご確認ください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
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