はじめに
こんにちは。ネットワークグループの林です。
前回の JANOG53 に引き続き、ネットワークグループの2名で JANOG ミーティングに参加させていただきました! 本稿は JANOG54 Meeting in NARA の一般参加レポートです。
3日分となると全部は書ききれないので、いくつかピックアップして感想を書きたいと思います!
イベントネットワークの構築
JANOG と同時開催される NETCON の構築の話と、ICPC の競技用環境の構築の話でした。
NETCON の方は、使っているのが個人の GCP プロジェクトらしく、上限にひっかかって GCP から電話が来たなど、個人主体で主催しているとは思えない規模でした。
ICPC の方は、機器をレンタルする期間が短く、とにかくシンプルにして短時間で確実に構築するというお話でした。
はじめに構築時間が半日程度と聞いたときは、普通にそんなものでは?と思ったのですが、ホットステージを除くと機器を借りてから半日という意味でした。
弊社の
TechCon
でもイベントネットワークを構築しましたが、当日は事前設定済みの機器を配置するだけだったので昼までに余裕で構築できる程度の作業量でした。が、ICPC の構築はまったく条件が違っていてすごかったです。
そのために、物理的にも論理的にもできるだけシンプルな構成にしているというお話でとてもおもしろかったです。
機器調達の話や構成の工夫など、どちらもイベントネットワーク全般で活かせそうなお話だったので参考にさせていただきたいです。
発表とは別で会場の配線ですが、壁際のテープはこれくらいで十分ですね。TechCon の時は貼りすぎだったなと思いました。
AP 関連
- NOC の AP 担当の方々の話 / BAKUCHIKU J54ネットワークの裏側 BoF
- Cisco さんのブース
今回の JANOG の無線は Cisco さんの WLC と Meraki で構成されているという話で、弊社でもその2つを使用しているのでとても興味がありました。NOC の AP 担当の方々と、Cisco さんのブースで、それぞれ色々とお話を聞かせていただきました。
WLC (Wireless LAN Controller) は Catalyst 9800 により AP を集中管理、Meraki は完全クラウドにより AP を管理します。会場の規模が大きいため AP の台数が多く、どちらかで機材を揃えることが難しかったため混在構成としたそうです。どちらかでいうと WLC は大規模で、Meraki は小規模で使うことが多いかとは思いますが、今回のように混在で利用することもできなくはないようです。弊社では拠点によって使い分けています。
混在構成ということで、WLC 管理の AP も Meraki のダッシュボードで表示する機能を利用されたそうです。この機能は、弊社で現在利用している WLC のバージョン (17.9系) でもすでに対応しているとのことだったのでさっそく試してみようと思います。
また、会場の Meraki AP は MR ではなく CW シリーズが使われていたのですが、今後はシリーズが統合されていくそうで、AP が無駄になりにくくなるのはよさそうでした。弊社では WLC 用の AP が大量に在庫になってしまっています。
あと、単純に WLC あるある話ができて楽しかったです。WLC について検索してもあまり情報がないのに、バージョンによるコマンド差異が割とあるので、やっと見つけた手順を試したらコマンドがなかった、みたいなことよくありますよね!というような些細な話に共感していただけて楽しかったです。 JANOG はこういう話を誰とでもできるのがいいところですね。
光トランシーバの清掃
- “さらに”光トランシーバの接続・清掃方法など取扱いについて考えよう
- “さらに"光トランシーバの接続・清掃を実際にやってみようBOF
前回の発表の続編という位置づけで、清掃しなくて良いタイプのトランシーバを無意味に清掃したら清掃によって破損するのか、ということを実際に500回清掃して確認されたそうです。 結果、ペンタイプクリーナでの正しい清掃なら壊れないということが証明されていました。
清掃しなくて良いタイプというのはレンズタイプで、レンズタイプの見分け方等も丁寧に教えてくださいました。 ただ、その見分け方 (金属かプラスチックか) で比較対象がなくても本当に分かるのか?という疑問が会場で出たのですが、その後の BoF で実際に見せていただいて、すぐに疑問が解決するというとても楽しい発表でした。
私はトランシーバの清掃をしたことはおろか、清掃が必要なことも知らなかったのですが、スタブタイプを見分けられるようになりましたし、掃除の仕方もわかりました。なんならお土産にクリーナもいただけたので、弊社ではあまりないのですが光ケーブルを挿し直す必要が出た際には実践できそうです。 また、最終的な結論として、最悪見分けられなくてもペンタイプクリーナなら清掃で壊す心配は少ない、ということも分かったので安心して掃除できます。
自動化
- OpenConfigを活用したNW検証業務自動化への取り組みと課題
- ネットワーク機器 試験自動化BoF
OpenConfig いいですね!広まってほしいです。 ただまだ、ベンダ側が対応していない所があるのはもちろん、OpenConfig 側も対応していない部分もあるようです。 それでも便利そうだなと思いました。とりあえず KNE で試せるそうなので仮想環境で試してみようと思います。 個人的には Go なところも嬉しいです。
弊社でもネットワーク機器設定の Ansible 化を進めていたり、ACL のチェックに Batfish を活用してみたりと試していることもあるのですが、ベンダの違いで困ることも多く、共通で扱えるとしたらとても便利そうです。
また、BoF の試験自動化の方では、そもそもベンダ毎に個別に対応しており共通化はしていないというお話でした。
色々なベンダの色々な機器に対応されているようで、SRX のバージョンアップも自動化されているとのことでした。
バージョンアップに対応できるということは、再起動を伴う処理にも対応できるということですが、その場合は CLI ベースのツールではなく API ベースの方が安定して利用できるとのことでした。CLI だとプロンプトが返ってくることを期待するため、終了判定がやや難しいというお話が参考になりました。
NTT 法改正
いったん、登さんだ!本物だすごい!と思って見ていたのはそうなんですが、発表されていた方々全員のお話がおもしろくて楽しい発表でした。ぜひアーカイブで見てみてほしいです。
私たち一人一人が日本のインターネットを良くしていこう、みたいな気持ちになれます。また、ひとまず帰ったら都知事選でちゃんと投票しようと思いました。
その他
懇親会は魚がたくさんあっておいしかったです。利き酒コーナー&樽酒も楽しかったです。
参加者がとても多かったため、話すことができたのは一部の方ですが、色々なお話を聞くことができました。
懇親会だとどこの会社の方なのか分かりにくいので、自社Tシャツを着てくださっていると話しかけやすくありがたかったです。次回は私たちはベイスターズTシャツを着ていくべきかもしれません。
名刺は箱で持っていくべきでした。
30枚くらい持っていたのですがまったく足りませんでした。1日でなくなりました。
鹿に会えました。寺社仏閣系は現金払いが多いので要注意ですね。財布に100円しかなくて鹿せんべい買えなかったです。神様もそろそろキャッシュレス化が求められていると思います。鹿せんべいは200円です。
鹿と大仏以外だと、奈良は柿の生産が全国2位だそうです。お土産に買いました。
柿の葉寿司
は朝ご飯でいただきました。
JANOG の Slack で参加者の皆さんがお店をおすすめしてくれるので、活用させていただくと外れがないです。 おすすめのお店おいしかったです。 大和丸なす は奈良の伝統の野菜だそうです。
おわりに
本稿で触れたこと以外にも多くのお話を聞かせていただき、参考になったり勉強になったりすることがたくさんありました。 総じて JANOG はとても有意義で楽しかったです!
開催地の奈良も良いところでした。 また機会があれば参加したいです。
運営や協賛の皆さん、開催していただき本当にありがとうございました。楽しかったです!
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
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