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2024.05.09 イベントレポート

海外カンファレンスで登壇してきました

by Tiphaine

#android #AndroidMakers #droidcon

こんにちは、2月に入社したAndroidエンジニアのティフェン( @tahia910 )です。
実はつい先月初めて海外カンファレンスに参加してきました🙋‍♀
そして光栄なことに、今回はなんとスピーカーとしての参加になりましたので、本記事では参加と登壇両面のレポートをお届けします!

AndroidMakers by droidcon

クロージング時のスライド、今年の参加者は750人

今回参加したイベントは、2024年4月25日(木) 〜 26日(金)の2日間に開催されたフランスのAndroidカンファレンスでした🇫🇷

ヨーロッパのAndroidカンファレンスはdroidcon London、droidcon Berlin、AndroidMakersが代表的ですが、今年からAndroidMakersもdroidconと共催することになったため、名前の最後に「by droidcon」が追加されたそうです。

Day 0

カンファレンス開催前はスピーカーとスタッフが集まるディナーに招待されました🤩

自分はなかなか治らないインポスター症候群に悩まされておりまして、最初は「こんな自分があんな優秀な人達と混ざっても良いか」と言う不安がありましたが、全くそういうレベルの差を感じさせない温かい雰囲気でした。みんなで登壇のアドバイスや応援をし合ったり、技術的な話で盛り上がったりしたら、あっという間に終わりました。
誰も知らない状態からすぐ仲間が何人もできて、楽しみにするセッションが更に増えました。登壇するならスピーカーディナーは絶対に参加すべきだと改めて確信しました。

Day 1

会場の入り口登壇中、参加者と一緒にスライドを眺めている

会場は アール・デコ の古い建物で、とてもおしゃれでした!Droidくんも誇らしげにしていました。(気のせい)

到着後はまずスポンサーブースに行ってみました。当たり前ですが、日本のカンファレンスでいつも見かける社名と全然違う名前ばっかりが並んでいて、不思議な感じでした。
特にKotzilla様(Koinライブラリーの会社)のブースの存在は、海外だということを実感させました。そして 先日私が弊社で開催したミートアップ のスポンサーであったRevenueCat様とまたお会いしましたが、マスコットがすごい進化していて、頭のでかい着ぐるみになっていましたw 🐱

初日は他の参加者との交流に力を入れようと思っていたので、スポンサーブースを回った後は、セッションの間に定期的に交流室?休憩室?的な場所に遊びに行きました。
卓球台やDroidくんのパズルなど、参加者同士で楽しめるコンテンツが色々用意されていました。広いテーブルでみんなが雑談していたので、とても話しかけやすかったです。

そこで知り合った人たちの一組とランチに行ってきました!不思議なことにこのランチのメンバーは誰もフランスに住んでいなくて、国籍もみんなバラバラでした。海外カンファレンスあるあるかもしれませんが、海外カンファレンス初参加というのもあり、私としては新鮮でした✨
そして久々に美味しいフランス料理が食べられました🤤

Day 1 セッション

ANR対策チェックリスト

もちろんセッションもたくさん見に行きました!特におすすめのセッションを紹介します。

Gradle経由でのハッキング実例と対策方法が紹介されました。有名なライブラリーを偽ったdependency経由攻撃の事例は衝撃的でした😨
また、レビュー時に中身が見落とされやすいgradle wrapperからも攻撃ができるということを知ったので、今後しっかり確認しようと思いました…

ANR対策のアドバイスがたっぷり入ったセッションでした。写真でネタバレしてしまいましたが、対応方法がチェックリストになっていて、すぐにでも実行できそうな内容でした。
レンダリングの遅さや画面フリーズの影響で、クリックイベントが次の画面に持ち越されたり、foregroundの開始が遅くなるとクラッシュすることなど、色々勉強になりました。
そしてDIをバックグラウンドスレッドでやるという発想はちょっと気になりました👀

アフターパーティー

他の海外カンファレンスでは音楽をガンガン流したりダンスとか派手なものが出ると聞きましたが、今回のアフターパーティーは近くのバー貸し切りでカジュアルに話す感じでした。

個人的な収穫は、「倫理を大事にしたプロダクト/アプリ開発」の話ができる人達と知り合えました。自分がかなり気にしている話題なのに、日本のエンジニアコミュニティであまり聞かないものだったため、非常に嬉しかったです。向こうのやり方や事例をじっくり聞いて、いつか海外のこの価値観を日本のコミュニティにも紹介したいと思いました。

Day 2

2日目は登壇の最終練習がしたくて、スピーカールームでお昼を過ごしました。

スピーカールームは飲み物と軽食のビュッフェが一日中用意されていて、スピーカー達と雑談したり、黙々と仕事ができるような場所でした。
さらに、この場所でだけランチが提供されていたので、お昼になったらみんなが集まってくれます。
結局ピザとドーナツを食べながらAndroid業界の尊敬する人達とワイワイしました。(練習は..?w)

スピーカーディナーと引き続き、技術的な話だけではなく、Android業界や他の国のAndroidコミュニティの話が聞けて参考になりましたし、刺激的で贅沢な時間でした!

KodeeのピンとAndroidMakersスピーカー専用スティッカー

JetBrainsのMárton Braunさん( @zsmb13 )から、Kotlinのマスコット「Kodee」のピンをいただきました😍
(右の「Community Hero」スティッカーはスピーカーに配られていたものです)

Day 2 セッション

Cash Appで使われているViewModel/ViewEventのロジック

2日目のおすすめのセッションはこの2件です。

今回のイベントの一推しセッションです!あの有名なCashアプリの開発周りの全てが紹介されました🔥 
アーキテクチャー、開発プロセス、テスト、CIなど、「これは話して良いのか?!」と思わせるほど内容の濃いセッションでした。優秀な人達が集まった会社で、流行りに囚われずに行う開発の事例として非常に参考になります。是非スライドだけでも見てみてほしいです。後で内容をまとめて社内で共有しようと思いました。

Composeのパフォーマンス改善などで使われるlow-levelなコード改善方法の話でしたが、自分のような素人でも分かるほどすごく分かりやすかったです!例えばメソッドのinline化や、順番の変化を適用する前と後で生成されるbytecodeが比較がされていて、どれぐらいの影響があるかを一目ですぐ理解できました。
セッション後スピーカーともお話ができたことが嬉しかったです🙈

登壇

何の期待もせずにセッション応募をしてみたら、まさかの採択となりました😱
大ショックでしたw

内容は、 DroidKaigi 2021の登壇 で時間が足りなくてスキップせざるを得なかったナビゲーションフォーカス(キーボードナビゲーション)の話でした。フォーカスの概念からXMLとCompose両方の実装話までガッツリ入れようと思いましたが、さすがに欲張りすぎました😇
On screenキーボードの話など、今回も40分でも話しきれなかった部分がまだけっこう残っていますが、この登壇で誰かが少しでもこの話題に興味を持ってくれたら嬉しいです..!

登壇前登壇後のQ&Aタイム

…とドキドキしながら待っていたら、100人部屋がまさかの満員となりました😳

登壇後も列ができてしまったほどたくさんの人が私に話しかけてくれました。また、質問だけではなく、ただ率直に「面白かった!」「分かりやすかった!」などのフィードバックを丁寧に言いに来てくれた人も何人かいました。すごく嬉しかったです!!!!😭✨ 
本当にありがとうございました!!!Thank you so much!!!

登壇中、クローズアップ登壇中、クローズアップその2登壇中、クローズアップその3 登壇中登壇中、参加者と一緒にスライドを眺めている

AndroidMakersのカメラマン( @soriya_fr )が登壇中の様子をとてもかっこよく撮ってくれました。かなり気に入っています☺️

おまけ

真面目にゲームキャラを選んでいる様子新しく出来た友達とゲームを楽しんでいる様子

自分がパリを出てから10年以上立っていますが、どうやらその間にフランスでオタクの文化がかなり浸透したようです。一番びっくりしたのは、地下鉄駅にアニメの映画の広告が普通にあったことです!自分がいた時にはありえない風景だったので、感動的でした。

この話をDay1のアフターパーティーで知り合った人たちに話してみたら、もっと現在のフランスオタク文化を体験させるために、Day2後は 流行りのオタクカフェ (?!まずパリにそんなカフェが存在するとは?!)に連れて行ってくれました。
6000冊以上と言うすごい量の漫画と共に、ボードゲーム、トレカ、昔のゲームセンターの古いゲーム機からSwitchまで、色々置いてありました。「Nous vivons vraiment à une bonne époque…」(「いい時代になったなぁ」という意味)とずっとつぶやいておりました。
ちなみにN64のゲームは腕に自信があります😏

最後に

今年のスピーカーグループ写真

様々な人と話せて、勉強がたくさんできて、非常に充実した2日間でした!
スピーカーとしては最初は不安ではありましたが、みんなが温かく受け入れてくれたおかげで何もかもスムーズでした。運営の皆さん、聞きに来てくれた皆さん、大変感謝しております。
どうやらAndroidエンジニアコミュニティの温かさは世界共通のようですので、是非とも海外カンファレンスでの登壇に挑戦してみましょう✨

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
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