はじめに
こんにちは。2023 年 4 月に新卒で DeNA に入社し、ゲームサービス事業本部の横断組織に所属している佐藤( @hanaaaaaachiru )です。普段はよく Unity を触っています。
今回は新卒入社して感じた課題から、それを解決するために全社横断的な Unity コミュニティを立ち上げた話をしたいと思います。またどうしてそれが実現できたのかについて自分なりに考察したので、気になる方はお付き合いいただけますと幸いです。
入社して感じた課題
入社して感じた課題は、“活発な事業部を跨いだ Unity コミュニティが存在しない"という点です。
DeNA に Unity のコミュニティは一応存在しているのですが、基本事業部内に閉じており、Unity を利用している事業部に配属されないとコミュニティに所属できないような状況になっていました。また最近ではゲーム以外でも Unity を利用しようという流れが強まってきており、事業部間での技術的な交流が少ないのも勿体無い気がします。
新卒エンジニアは入社してから約 3 ヶ月間研修を受けることになります。DeNA の研修は Web 系がメインになっているのですが、普段からよく Unity を触っている私としては社内の Unity を使っている人とコミュニケーションを取ってみたいと常々感じていました。
しかし前述の通り、まだ正式な配属先が決定していない研修期間中はどこの Unity コミュニティにも属することができません。この出来事をキッカケに事業部を跨いだ Unity コミュニティがあったらいいのになと考えるようになりました。
事業部を跨いだ Unity コミュニティ立ち上げ
新卒の同期にも Unity を触ってきていた人が数名おり、事業部を跨いだ Unity コミュニティがあったら面白いのではないかという話になりました。また DeNA のサマーインターンの頃にメンターとしてお世話になった方にご助言をいただきながら、4 月の下旬に社内の人なら誰でも参加できるような Slack 上でのコミュニティを立ち上げました。
コミュニティを継続的に活性化させるために
継続的にコミュニティを活性化させることはなかなか難しく、過去に先細りしていったコミュニティが沢山あると先輩方に教えていただきました。その対策としては"コミュニティに共通の目的を持たせる事"が大切だそうです。
社内の他のコミュニティに目を向けても、GCloud.Monday や Android.Tuesday、SwiftWednesday など定期開催される勉強会ありきのコミュニティが大半を占めていることに気づかされました。
立ち上げたコミュニティでも何かしらの共通な目的がないと継続的な交流は難しいと考え、定期的に勉強会を開催することにしました。
Unity.Thursday の開催
毎週木曜日にテーマを決めて雑談をしていく Unity.Thursday という勉強会を 5 月より始めました。お世辞でも上手な進行ができているとは思えませんが、皆さん優しく見守ってくださるので本当に助かっています。また比較的上の世代の方も多く参加してくださり、実際の現場での体験談であったり専門的な知識を教えてくださったりと学びのある勉強会になっていると思います。
気づけば現在(2023/7/13)時点で開催回数が 10 回になりました。
工夫したところ・良かったところ
コミュニティ運営・勉強会開催する上で工夫した点・良かった点をいくつか紹介させてください。
最新情報を Slack に通知するようにする
Slack のチャンネル に RSS フィードを追加することで、特定のサイトが更新されたときに通知が来るようにすることができます。立ち上げた Slack のコミュニティチャンネルではこれを利用し、最新の Unity 情報が通知されるように設定しています。
取り入れてから Unity の最新情報で盛り上がることが増え、導入して良かったと感じています。
お題の決め方
毎週の勉強会のテーマは、常設している GoogleForm の回答から運営が良さそうなものを一つピックアップしています。
運営が一方的に決めるよりも皆で作り上げている雰囲気を作れますし、思いつかなかったテーマが出てきたりと良い事が多かったです。
盛り上がったテーマ
事業部固有のテーマを取り上げた勉強会は結構盛り上がりました。具体例を挙げると、私が所属している横断組織で用いているコーディング規約を紹介する回は満足度が高かったように感じます。
ただ事業部固有のテーマを集める事は結構難しく、あまり高頻度で行えないところが難点ではあります。
何故コミュニティ立ち上げと勉強会開催ができたのか
自分で言うのは少しアレかもしれませんが、想像以上に順調にここまでこれたと思っています。自身への備忘録の意味合いも兼ねて、何故これらができたのか考えてみました。
私がニューカマーであったため
サマーインターン時のメンターさんが仰っていたことなのですが、ある程度会社にいる人間(比較的シニアな方)がコミュニティや勉強会をはじめると参加の敷居が上がってしまいコミュニティが先細りがちなのだそうです。確かに新卒が運営・主催することで、先輩からしても若い人が何か始めたみたいだから手伝ってやろうかな・教えてやろうかなという心理になるのかもしれません。正直新卒の立場からすると自分なんかがやっていいのだろうかと思いがちかと思いますが、先輩からすると案外逆の考え方なのかもしれませんね。これは組織によって違うと思うので一概には言えないとは思いますが。
やりたい事を応援していただける環境にあったため
“私がニューカマーであったため"と関連していますが、先輩方には多くのアドバイスをしていただけました。研修中メンターさんと定期的に 1on1 をさせていただいていたのですが、やりたい事を伝えるや否や毎回アドバイスをしていただけていた記憶があります。またコミュニティでもちょくちょく話題提供をしてくださったり、お忙しい中勉強会に顔を出してくださったりと先輩方には本当に助けられています。
技術分野に興味を持っている人が多くいたため
仮にコミュニティを立ち上げたとしても、扱う技術分野に興味がある人が会社に少なければ盛り上がりづらいのは間違いないでしょう。布教すれば良いと考えることもできますが、比較的時間がかかると思いますし労力も大きそうです。私の場合は Unity を扱っているわけですが、DeNA には Unity を業務で扱っていたり趣味で触っていたりする方が割といらっしゃったためスピード感をもって成長できたのかなと考えています。
協力的な同期がいたため
最後に運営に協力してくれた同期の存在が大きいと思います。私は人見知りな性格をしていたり恥ずかしがり屋な側面も結構あったりするのですが、それら足りない要素を同期が補ってくれていると感じています。私一人だけではコミュニティ立ち上げはさることながら、継続的に勉強会を開催することは難しかったと思います。研修で忙しい中、面倒くさいと感じてもおかしくないと思いますが、面白がって協力してくれた同期にはこの場を借りてお礼を言いたいです。ありがとうございました。
夢語り
コミュニティが順調に成長をしていて嬉しい限りですが、まだ理想の状態とは程遠いと考えています。今考えている理想像としては、この先もずっと先細りせず常に活発なコミュニティになっている状態です。
今は立ち上がったばかりなので社内の方に注目していただけ、人も集まってきてくださっていますが、今後もずっとその状態が続くかは分かりません。現状に満足することなく、常に色々な事を試し取り入れていく姿勢を忘れないでいきたいです。
また実現できるかは分かりませんが、具体的に以下のこともやっていきたいと考えています。
- もっと様々な事業部の方に参加をしてもらう
- LT 会やハンズオンの開催
- コミュニティ有志で技術書展などへの本出版
- Unity だけを扱った外部登壇会の開催
特に Unity だけを扱った外部登壇会についてですが、一応 DeNA には DeNA TechCon という登壇イベントが存在します。しかし TechCon は様々なテーマを扱うため、 Unity Meetup や Unity Learning Materials という Unity 利用者なら誰もが知っているようなサイトに掲載していただくことが難しいという問題があります。
Unity 愛好家の一人として、 Unity Meetup や Unity Learning Materials に掲載されることが憧れの一つになっているため、Unity だけを扱った外部登壇会の開催をしてみたいと考えています。会社としても Unity の技術力が高いという印象を与えることができるため、悪くはない話だとは思います。
さいごに
おそらくこの記事を見てくださっている方の中には就職先を考えている学生さんもいらっしゃると思います。仮に自身の興味がある分野の勉強会やコミュニティが会社になかったとしても、ある意味では自身が活躍できるチャンスと捉えることができるかもしれません。これは個人的な意見ですが、どちらかと言うと"やりたいことができる人や環境があるか"が大切なのかなと今は考えています。
またメンターさんや同期など多くの方に助けられてここまで来れました。普通の大企業であれば新卒が変な事を始めたら嫌がられる可能性も十分あると思うのですが、DeNA にはやりたい事を応援してくれる人や環境が確かにあると感じさせられました。
これからも現状に満足する事なく、もっとコミュニティの規模を大きくしていき、夢を叶えられたらと思っています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
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