blog

DeNAのエンジニアが考えていることや、担当しているサービスについて情報発信しています

2025.09.24 イベントレポート

DroidKaigi 2025 参加レポート

by Shogo Takasaki

#android #kotlin #droidkaigi

はじめに

皆さん、こんにちは! Pococha でAndroidアプリエンジニアをしている高崎です。今回は、先日開催された国内最大級のAndroidカンファレンスである DroidKaigi 2025 の参加レポートをお届けします。

この記事では、DroidKaigiの多様な魅力と、DeNAブースでのユニークな企画を通じて、カンファレンスの面白さや現地で感じたことをお伝えできればと思います!

PXL_20250912_0105507112.jpg

DroidKaigi 2025 イベント概要

DroidKaigi 2025は、2025年9月10日(水)から12日(金)までの3日間、ベルサール渋谷ガーデンで開催されました。今年も多くのセッションとブース出展があり、会場は参加者の熱気で包まれました。

day1ではワークショップが実施され、Kotlin Multiplatform (KMP)とCompose Multiplatform (CMP)を用いたクロスプラットフォームアプリ開発を体験しました。去年と同じくKMP, CMPについての基礎的な内容だったので復習になりつつも、今年は普段使い慣れているAndroid Studioで実装ができたり、Compose Hot Reloadなどの新機能を体験できたりと新しい学びも多かったです。

day2, day3はセッションを見たりDeNAブースの手伝いをしながら、合間合間で他社のブースを回ってスタンプラリーをしたり各種企画を楽しみました。

ブースではプロダクトの話を聞いたり、ブースの企画に参加して楽しみました。今年はAIに関連したブースが多かった印象です。ガチャをやっているブースが何箇所かあったのですが、なかなか目当てのものが当たらなかったので来年リベンジしたいです><

企画でとくに印象に残っているのはネイル体験で、人生ではじめてネイルをやったのですが、想像よりも綺麗だったので2回行って両手にやってもらいました!

20250912_122429.jpg
同僚たちもネイルを楽しんでいました!

DroidKaigiは飲食も充実しています。今年もAlpha Betti Cafeさんの美味しい淹れたてコーヒーが飲めたり、さまざまな種類のドリンク・アイス・お菓子を楽しむことができました。

day2, day3のお昼はお弁当がもらえるので、day2は同僚と、day3はAndroid初学者向けのテーマで集まった方達とランチをしました。初学者向けのテーマでは、自分と同じく入社2年目のエンジニアや、スカラーシップで参加している学生と日々の開発について楽しく話すことができました。

また、day2の夜にはAfter Partyが実施され、同じテーブルの方とご飯を食べながら話したり、マグロの解体ショーを見て楽しみました。

PXL_20250911_082309730.MP.jpg

DeNAブースの紹介

今年は「来場者が2日間で自由に実装したらどんなタイムテーブルアプリができる?」という企画をしました。

DroidKaigiのタイムテーブルのjsonデータしか入っていない空のProjectからスタートし、どんなUIにするのか・どこを実装するのかも含めて来場者と話しながら自由に作っていくという企画です。AIのアシストがまったく入っていない環境で、弊社のエンジニアが横でAIの代わりにアシストしながら作っていくというスタイルで実施しました。

進捗が気になって一度ブースに来られた方が何度もブースに足を運んでくださったり、一緒に開発をする中でたくさんコミュニケーションを取れたのが良かったです。自分が知らないAndroidStudioの機能なども知ることができ、サポートする側ではありましたが学びも多かったです。また、ブースの手伝いをしている弊社のエンジニアがコードを書きたくなってソワソワしているのを見るのも面白かったです!

street_code.jpg

たくさんのContributorのおかげで、最終的にアプリは以下のようになりました!

普段とは違う環境で実装に苦労される場面も多かったですが、日付ごとのタイムテーブルが見られたり、日本語と英語を切り替えるところまで作ることができました!

コードは GitHub で公開されています。

Screenshot_20250919_113559.png

DeNAのAndroidアプリエンジニアも含め、約30名の方々にご参加いただけました。2日間でご協力いただいた方のサインと、一覧を記載させていただきます。(敬称略・順不同) あらためまして、ブースに来ていただいた皆様には感謝です!

PXL_20250912_082316871.jpg

セッション紹介

DroidKaigi 2025では、多岐にわたるセッションが開催されました。ここでは、とくに印象に残ったセッションをいくつか紹介します。

UIだけじゃないComposeの可能性 ━ 宣言的に奏でるメロディ

1つ目はusuiatさんによる、 UIだけじゃないComposeの可能性 ━ 宣言的に奏でるメロディ というセッションです!
このセッションでは、独自の宣言的音声処理ライブラリを使って、UIを構築するかのように音声を構築するという独自の試みについての内容が話されました。

二部構成になっており、前半ではComposeがUIを表示する仕組みについての説明がありました。
Composable関数が最終的にRuntimeのAPIであるReusableComposeNodeによってCompositionTreeに配置されるといった、普段はあまり気にすることのない裏側の処理について学ぶことができました。

後半は本題である音声処理の話です。
音声が波形であることに着目し、波形の操作を表すAudio Block DiagramをComposeで表現するというものです。
SinWaveVolume といった基礎的なComposableを Chain というComposableで直列につなげたり、Mix というComposableで合成するデモが紹介されていました。RowColumn でUIを並べるのと似た考えなので直感的で使いやすそうだと思いました。また、前半でUI ComposableがCompositionTreeに変換されて描画されるまでの処理を聞いていたので、Audio Composableが最終的に音声として出力されるまでの流れもイメージが湧きやすかったです。

Composeが裏でやっていることの勉強にもなりましたし、Composeでこんなことができるのかという驚きとワクワクを感じました!

衛星元年 スマホ圏外からLEO衛星🛰で安否情報を届けるAndroid DTC (Direct to Cell)完全攻略

2つ目はmuoさんによる、 衛星元年 スマホ圏外からLEO衛星🛰で安否情報を届けるAndroid DTC (Direct to Cell)完全攻略 というセッションです!

このセッションでは、スマホと人工衛星の直接通信をテーマに、実地検証を踏まえて判明した課題や知見についての共有がありました。2025年現在はau Starlinkが提供されていますが、2026年には他社もサービスを展開し始めるということで、これからの発展が楽しみな領域です。

前半は人工衛星についての話がありました。衛星軌道が複数あり、高ければ高いほど通信範囲が広く、低ければ低いほど低遅延になるといった性質や、スマホからはStarlink DTC衛星を経由してStarlink衛星と通信をするといった内容が話されました。現状はDTC対応衛星が圧倒的に少ないため、サービスエリア内であっても繋がらない場合があるとのことです。リアルタイムで衛星の通信範囲を示すMapを使った説明がわかりやすかったです。

後半は実際にAndroidアプリで通信をする話がありました。Android SDKとしては、ServiceState.isUsingNonTerrestrialNetwork を使うだけですが、難しい点がいくつもあるとのことです。たとえば、安定したデータ通信を暗黙の了解としたアプリ実装をしてしまいがちですが、不安定な衛星通信時にアプリが正常に動作しなくなる場合があるので気をつける必要があります。また、衛星通信のデバッグをするために圏外に行く必要があるので、登山中でも試行錯誤ができるような環境を構築するのが大変そうでした。

衛星通信の話や実際に登山をして検証をした際の知見がたくさん共有されており、学びが多いセッションでした。私自身も登山で圏外の場所に行くことが多いので、今後の発展が楽しみです!

Fireside Chat

3つ目は技術的なセッションではないのですが、DroidKaigiのさまざまな取り組みについての担当者を交えたパネルディスカッションを紹介します。

このセッションでは、DEI (Diversity, Equity, Inclusion)の観点で実施されているさまざまな取り組みの紹介がありました。たとえば、お子さんがいる参加者向けの子ども用のTシャツ配布や、コーヒーが苦手な方も楽しめるドリンクコーナー、はじめてDroidKaigiに参加される方向けの会場ツアーなど、去年よりもパワーアップした部分をたくさん知ることができました。

たくさんの取り組みにより、本当に色々な方が楽しめるイベントになっていたと思います!

PXL_20250912_063758696.jpg

おわりに

今年もさまざまな企画を楽しみつつ、Androidアプリ開発の勉強をできました。ブースや懇親会などではじめてお会いするたくさんの方と交流ができたので良かったです。セッションの動画がすでにアップロードされているので、見れなかったセッションも見ることができたり、他の参加者と感想を共有したりなど、終わってからも楽しみが残っているのが魅力の1つだなと思います!

DroidKaigiはさまざまなバックグラウンドを持っている方やAndroidアプリ開発に馴染みがない方でも楽しめるような工夫がされており、すべての方が楽しく参加できるカンファレンスだったかなと思います。来年も参加したいと思います!

IMG_4549.jpg

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
この記事をシェアしていただける方はこちらからお願いします。

recruit

DeNAでは、失敗を恐れず常に挑戦し続けるエンジニアを募集しています。