はじめに
DeNA × AI Day || DeNA TechCon 2025 を2025年2月5日にオンライン形式で開催しました。全33セッションを4レーンで配信し、多くの方にご視聴いただきました。ご参加、ご視聴いただいたみなさま、ありがとうございます。
DeNA TechCon は、2016年から開催している技術者をターゲットとしたイベントですが、今回はビジネス職やクリエイティブ職の方もターゲットにした DeNA × AI Day と同時開催し、イベント運営の観点で新たな試みもありました。
本記事では、DeNA TechCon 2025 運営のコアメンバーである、エンジニアリング室の早川さん、太田さん、本山さんが、オンライン開催の工夫、そしてそこから得られた学びについて語ります。
これから技術イベントの企画・運営を検討されている方にとって、ヒントになれば幸いです。
コアメンバーとその役割
―― 本日は、DeNA TechCon 2025 の振り返りをやっていきましょう。DeNA TechCon 2025の方をメインに運営していたコアメンバーに集まってもらいました。
まずは、皆さんがどのような役割を担っていたのか、教えて下さい。
早川: 早川です。私は技術的な面でイベントを支える役割を担っていました。主にウェブサイトの構築や、登壇者に関する情報を整理するといった役割ですね。また、エンジニアの観点から、登壇資料の内容を確認したり、技術コミュニティイベントに関する企画をしており、 Green Laneの最後のLTセッション やイベント開催後に実施した After Event の設計などを担当しました。
太田: 太田です。私の役割は、今回2つのイベントが同時開催されたこともあり、多様なステークホルダーとの調整業務がメインでした。あとは、早川さんが企画してくださった After Event のサポートなども担当しました。過去の TechCon には2018年から関わっており、今回で8年目となります。準備段階から、誰に何をいつ、どこで連絡するかといった、いわばマニュアル的な役割も担っていたかと思います。
本山: 私は、オーガナイザーと言うとおこがましいですが、議論やイベント運営のミーティングの進行役をさせていただいてました。最初はこの3人でまずイベントをやるかどうかの議論から始め、開催を決定しましたよね。その後、私の方でROIの設計、エンジニアボードメンバー(各組織の技術トップ陣)との登壇に関する調整などを行いました。
ある程度イベントのコンテンツが揃って全体像が見えてきてからは、エンジニア以外の視聴ターゲットも想定した DeNA AI Day との同時開催ということもあり、マーケティングや広報部門の方と宣伝、広告、露出周りの調整などをおこなっていました。
イベントの運営者視点での振り返り
―― それでは、イベント全体を振り返ってみて、いかがでしたか。まずは早川さんからお願いします。
早川: イベントそのものとしては、裏側で色々携われたという点では良かったと思っています。イベント運営という視点で見ると、良いイベントにできたのではないかと感じています。特に、収録や配信などの面を内製で行えるのはDeNAらしいと感じました。社内には、イベント企画や実施、映像制作や配信をおこなうイベントサービス部があります。この部門との連携がスムーズだったことが、大きな問題もなく終えられた要因の一つだと思います。
太田: 率直に、楽しかったです! 8年TechConに関わってきましたが、毎回イレギュラーなことが起きつつも、みんなで解決するのは楽しいです。当日は、それぞれ3人の役割を察知しつつ、カバーしながら動けていたのが良かったと思います。
本山: 今回、DeNA AI Day との同時開催でしたが、それぞれのイベントにオーナーが居て、各イベントのターゲットや目的が異なっていたのが特色でしたね。イベント間の送客によるイベント効果の向上を目的として共同開催となりましたが、結果的に、両方の目的や目標を達成できたと感じています。
オンライン開催の工夫と課題
―― 昨年度実施した DeNA TechCon 2024 は、オフラインで実施しながら、オンライン配信をするハイブリッド形式でした。今回は、オンライン開催となりましたが、工夫した点や難しかった点はありますか。
早川: 情報を発信する量を増やせたのはメリットでした。ただ、発表者の体験としては、オンラインでは視聴者のリアクションが分かりづらいため、モチベーション維持が難しかったかもしれません。技術イベントでは発表者の体験が大事だと考えています。その人たちが発表して良かったと思えるようにすることがオンラインでは難しいと感じています。
太田: 早川さんがおっしゃる通り、オンラインでは登壇者にとって視聴者のリアクションが分かりづらいことが課題だと感じました。オフラインのような拍手などもありませんし。ただ、オンラインだからこそ、全国どこからでも参加でき、多くの発表を聞けるというメリットもあります。昨年はハイブリッド開催で、現地の熱量を伝えられるようにDiscordを活用するなどの工夫もしました。発表者体験という点では、改善の余地があると思います。
本山: 4レーン同時配信というのは、過去のDeNAのオンラインイベントではなかったと思います。事前に収録したものを当日流す方式も取り入れ、現場の負荷を減らす工夫もしましたよね。
お二人が触れている発表者体験については、コロナ禍を経て、視聴者側が仕事をしながら、オンラインイベント視聴するスキルが向上していて、それが登壇者からすると、リアクションやフィードバックの少なさにつながっている可能性を感じています。
早川: VTuberの活用 といったオンラインならではの試みも行いました。また、オンラインでイベントを開催しながらも、配信会場でメディア関係者の方に取材していただくこともできました。イベント中に記事が公開されるなど、リアルタイムでの情報発信は大きな効果がありましたね。
イベントを通して得られた学び
―― イベントを通して得られた個人的な学びはありましたか。
早川: 2023年からコアメンバーとして参加し、TechConに3年間携わる中で、2024年のハイブリッド開催を通して、1年間の流れを初めて理解できました。その経験を活かして、今回の2025年の準備では、後々困らないように情報整理などを先回りして行うことができました。AIの活用も情報発信や情報整理といった部分で役立ったと感じています。
太田: やはり人との繋がりやコミュニケーションが大切だと改めて感じました。膝を突き合わせて話したり、関係性を深めることで、やりたいことを伝え、一緒に走ってくれるメンバーがいることの重要性を学びました。あとは、南場さんというコンテンツは強いなという学びがありました。南場さんが登壇されると視聴者の層が変わるのを感じます。
本山: 私の学びは3点あります。
1点目は、会社のイベントには、なぜそのイベントをやるのかという理由付けと、イベントの中身の設計という2段階の設計があるということ。
2点目は、2つのイベントを同時開催する場合、両方のイベントを楽しめる人が最も満足度が高かったことです。運用観点だと、ターゲット層が近いほど、コラボレーションしやすく、設計もしやすいと感じました。
3点目は、デジタル広告運用で利用したキーワードを他の発信コンテンツに活用するなど、デジタル広告で試したデータに基づいた情報展開の有効性を学びました。デジタル広告は、ただ出来上がったものを宣伝告知するツールではなく、世間の方が関心を寄せるポイントを見極めるリサーチツールとしても機能することを学べました。
イベント企画/運営で大切にしたいこと
―― イベントを通して、多くの学びが得られましたね。最後に、イベント企画/運営するうえで大切なことってなんだと思いますか。
本山: イベント企画の初期においては、目的と効果を分けて考えることが大事だと思います。私自身、ROI設計するときに自分の思考の中で、目的と効果が混ざって整理されていないことに気づくまで時間がかかって、思考が堂々巡りしていた時期がありました。
これは自戒を込めた発言ですが、それらの目的や効果が「本当にイベントで達成できるのか」を検討することが大切だなと。もしかしたら、他の手段で解決した方がコスパがいいかもしれませんから。
早川: そうですね。今回の「DeNA × AI Day || DeNA TechCon 2025」では、イベント開催後からも多くの方にイベントコンテンツを視ていただく結果になりました。このような技術イベントは、当日開催して終わりではなく、開催後、そのコンテンツをどのように見せていくかが重要だと改めて感じました。イベントで公開した情報をさらに広げていく視点を持つことが、イベントの価値を最大化する鍵になると思います。
―― IT企業のエンジニアリング界隈の発信が引き続き盛り上がっていくと、よりよく便利な世界になっていくと思うので、DeNA も負けじと励んでいきましょう。本日はありがとうございました。
早川 / 太田 / 本山: ありがとうございました!
おわりに
DeNA TechCon 2025の舞台裏と、イベントを成功させるためのヒントを、コアメンバーの皆さんから伺いました。イベントの目的を明確にすること、オンライン開催の工夫、チームワークの重要性など、多くの学びがありました。
本記事が、これから技術イベントの企画・運営に携わる皆様にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
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