はじめに
はじめまして、IT本部IT戦略部テクニカルオペレーショングループの竹内です。
私は2024年4月から12月まで地方自治体である
大阪府箕面市
から出向し、DeNAで勤務しています。
なぜ箕面市からDeNAに出向?と思われる方も多いと思いますので、簡単に背景を説明します。
DeNAと箕面市は、2021年10月に
包括連携協定
を締結しています。
包括連携協定において、「自治体DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進」という項目があり、その一環として2022年から箕面市職員がDeNAへ出向しています。
私は2人目の出向者で、前任は箕面市システム管理室長の職に就いています。
※前任者の体験談を
箕面市公式ブログ
に掲載しています。ご興味のある方はあわせてご覧ください。
今回のブログではDeNAでの業務を通じて感じたことや学んだことから、自治体とIT企業のワークスタイルの違いや箕面市への帰庁後にチャレンジしたいことを紹介します。
DeNAでの所属部署
DeNAでは「IT本部IT戦略部テクニカルオペレーショングループ」に所属しています。
テクニカルオペレーショングループは「社内向けシステム・ツールの運用管理」、「従業員からの問合せ対応」、「新規ツール導入の検討や社内ITコストの管理」業務を行う「社内情シス」部門です。
私は「kintone」のメイン担当として、日々の業務を行いながら、最新のデジタル技術や業務効率化の手法を日々学びました。
DeNAでの働き方について
DeNAでは「リモートワークと出社を混ぜたハイブリッドな働き方」を進めています。
私は居住地が関西であるため、リモート勤務を実施しており、実際にオフィスへ出向いたのは9か月間で2回でした。
昨年度末に出向内示を聞いたときは、リモートでの勤務や同僚とのコミュニケーションに強い不安を感じていました。
箕面市にもリモートワーク環境は整備されていますが、市での私の所属は対面での会議や紙資料の管理があり、リモートワークをする機会がほとんどありませんでした。
これまでの箕面市勤務で「対面でのコミュニケーションが大切」と感じていたので、リモートの勤務でうまくいくのか?と漠然とした不安がありました。
4月に配属され、実際にリモートで勤務してみると、想像以上にスムーズなコミュニケーションが可能であり、リモート勤務は実際にやってみないと感覚がわからないものだな。と強く感じました。私以外にも遠隔地での採用(東北や信越、近畿地方など)の方がいらっしゃったことも安心感に繋がりました。
ここからは私がDeNAで勤務する中で驚いたポイントを4つ紹介します。
驚いたポイントその1:周囲のレスポンスが早い!
DeNAではチャットツールである「Slack」とオンライン会議ツール「Google Meet」、「Zoom」がコミュニケーションの中心になっています。
Slackには各チームや業務ごとの「チャンネル(グループチャット)」があり、いつでも気軽に声をかけることができます。
また、チャットツールでは伝えにくい内容や複雑な内容はオンライン会議で顔を見て話すことができます。
DeNAでの勤務を開始して最初に驚いたのは「Slackのレスポンスの早さ」でした。
質問をするとすぐに返信をもらえますし、他メンバーの投稿にもリアクション(スタンプ)や返信がすぐ付きます。
オンラインでもオフィス勤務と同じように「声をかけたら、すぐに反応が返ってくる」ことに驚きと凄さを感じました。
レスポンスの早さは他部署や子会社の方も同様でしたので、「会社の文化」だな・・と実感しています。
結果として日々の疑問が不安がどんどん解決し、「回答待ちに時間がかかる」体験がありませんでした。
驚いたポイントその2:情報共有の頻度・密度が高い
続いては「情報共有」に関する驚きです。
私の所属するチームではチーム定例ミーティングを「火曜日から金曜日の毎日30分」オンラインで実施しています。
ミーティングの議題は各個人のタスク進捗や困っていることの相談が中心です。
私のこれまでの経験ではチームミーティングは多くても週1回程度であり、1回あたり1~2時間程度でした。
「短いミーティングをこまめに実施する」のと「時間をとってじっくり実施する」方法のどちらが良い。というわけではありませんが、短い時間で日々の業務進捗や困りごとを共有していくことで「新鮮なうちに課題を解決していく」取り組みができています。
結果として今のスタイルがトータルでかかる対応時間を短くできている実感を得ています。
特に「個人の困りごと」を早めに共有することで、メンバー全員が各メンバーの悩みに関する解像度を高くし、チーム全体の対応力や対応スピードを上げていると感じています。
出向期間を通じて組織運営やマネジメントについても良い気づきを得ることができました。
驚いたポイントその3:ペーパーレスで仕事が進む
DeNAで勤務し、少し経った頃「そういえばDeNAに来てから全く紙を触っていない」と気づきました。
箕面市では、紙資料や台帳の管理をしている部署がほとんどです。
DeNAで勤務を開始して以来、自身の業務で「印刷を前提とした資料の作成」を1度も実施していません。
また、日々使用する「各種台帳」もすべてデータ管理であり、紙の台帳を参照することもありません。
このように「データで当然」な環境で勤務すると、市庁舎は「紙の資料がとても多い」と改めて感じます。
箕面市ですぐに「存在する台帳すべて電子化」するハードルは高いですが、紙からの転記は効率が悪く、ヒューマンエラーによる転記ミスが起こり得ます。
例えば窓口部門や管理部門などで「台帳の取扱が日常的に派生する業務」から台帳の電子化を進めることで、全庁の業務改善に繋がっていくのではないか。と、DeNAでの勤務を通じて自分なりの仮説を立てることができました。
驚いたポイントその4:QCDへのこだわり
私の所属するIT本部では「QCDの鼎立(ていりつ)」をミッションとし、社内ITの提供においてQ=クオリティ(品質)、C=コスト(費用)、D=デリバリー(時間)を強く意識して日々の業務に取り組んでいます。
IT戦略部の顧客は社内の従業員ですが、「申請や依頼に伴うデリバリー悪化は全社事業の機会損失につながる」という課題意識を持っています。
社内情シス部門として業務品質の向上だけでなく、「社内ITコストの効率化」や「依頼申請の待ち時間改善」など、全社に良い影響を与える施策を通じて全社に貢献しています。
私の部門で実施した「デリバリー向上」に関する案件が別記事で公開されています。
箕面市でもQCDを意識していますが、顧客(市民)に対するデリバリータイムが中心であり、市役所内の業務に対するデリバリーの意識はDeNAほど高くないと感じています。
経験を通じて組織内の依頼業務や関係部署との協力業務におけるデリバリーの悪化は、結果として多くの従業員に悪影響を与える。という気付きを強く意識するようになりました。
帰庁後の箕面市への貢献
自治体から民間企業への出向機会はなかなかありません。
4月から12月の短い期間でしたが、DeNAでの学びを箕面市に還元することが私の成果だと感じています。
2025年1月の帰庁後は庁内のシステム部門で勤務する予定です。情報システム管理やDX推進に係るシステム・ツールの調整を担当すると聞いているため、DeNAでの経験や事例を身をもって学べたことは本当に役立つ経験だと感じています。
特に、日々の業務で体験した「データ管理」は電子化が進んだDeNAだからこそ体験できる内容でした。運用業務は高度で難しいことも多くありますが、日々の業務がすべて学びだったと改めて実感しています。
先日、DeNAでの経験をもとに箕面市のDX推進部門・システム部門・人事部門にDX化に関する提案を実施しました。
提案時に行ったデモも好評だったため、現在は帰庁後の業務の進め方の作戦を練っている毎日です。
まとめ
DeNAへの出向期間を通じ、DeNAの高い業務効率を目の当たりにしました。現在の市役所ではDeNAのレベルに達するのは容易ではないと思いますが、まず始めてみないことには何も進みません。
また、「業務効率化に業種はあまり関係ない」ことを強く感じました。組織を運営すると「同じような業務や課題」は業種と問わず発生する。と知れたことは大きな財産になりました。
DeNAでは今まで聞いたことがないシステムやツールが多く運用されており、導入背景や実運用の機会を通じて「ITツールに関する知識」だけではなく、組織運営やデータ活用について、肌で感じることができて本当に感謝しています。
最後に
短い期間でしたがDeNAのみなさま、本当にありがとうございました。
私の人生でDeNAで働けたこと、みなさまに出会えたことは自分の成長の糧になっていくと思っています。
そして、DeNAで学んだことを箕面市でも実現できるように挑戦していきたいと思います。
みなさまに感謝です!ありがとうございました!!
【最後の最後に箕面市のPRをさせてください!】大阪へいらっしゃった時は箕面市にぜひお越しください。
箕面市観光協会Webサイト(箕面大滝の紹介)
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
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