はじめに
こんにちは、IT戦略部システム開発グループのhigashiです。
DeNAには22新卒エンジニアとして入社し、現在入社3年目になります。
この記事ではIT戦略で立ち上がった新チームの取り組みについて紹介します。
新チーム立ち上げの経緯
新チームを立ち上げた理由は主に以下の2つです。
- エンプロイーエクスペリエンスグループの支援を行なう
- 新システムの開発
エンプロイーエクスペリエンスグループの支援を行なう
IT 戦略部には 5 つのグループがあり、それぞれの業務内容は以下の通りです。
- テクニカルオペレーショングループ (以下 TechOps)
- 社内で利用しているSaaSの管理など
- エンプロイーエクスペリエンスグループ (以下 EXG)
- 社内ヘルプデスクの運営やPCのキッティングなど
- コーポレートオペレーショングループ (以下 CorpOps)
- 会計系業務
- システム基盤グループ
- 社内システムのインフラ管理
- システム開発グループ
- 社内システムの開発
我々システム開発グループは、上記グループの中でもエンジニアが居ないTechOps、EXG、CorpOpsからの依頼を元にシステムの開発を行っています。
TechOps 、CorpOpsには1チームずつ専任のチームがあり、開発依頼を受けていましたがEXGに関しては専任のチームがない状態でした。
依頼内容によっては既存の2チームが対応していましたが、EXGに対してよりvalueを出したいという思いがあり、新チームを立ち上げることになりました。
これが1つ目の理由です。
新システムの開発
FY23からシステム開発グループの管理下に2つのシステムが加わりました。
- ChatAI
- Slackから利用できる社内向けChatGPT
- ChatAI について紹介されている動画: DeNA TechCon 2024「生成系 AI 社内導入への道のりと成果」
- IT戦略KPIツール
- ヘルプデスクやKintone申請の待ち時間をLooker Studio上に可視化するシステム
また、これらに加え、FY24から新たに開発予定のシステムが1つありました。
これら3つのシステムは主担当のチームが決まっておらず、継続して開発、保守をしていくチームが必要だったというのが2つ目の理由になります。
メンバー
「EXGへのvalueを出す」、「新システムの開発を行う」という2つの理由から立ち上がった新チームですが、以下のメンバーで構成されています。
- TNさん
- 入社11年目のベテランエンジニア
- 全チームにいた経験があり、IT戦略内のシステム全般に詳しい
- Sさん
- 入社4年目のエンジニア
- システム基盤グループとの兼務
- ChatAI をメインに担当
- 私
- チームリーダー
- 入社3年目のエンジニア。メインの領域は
Vimbackend
また、2024/03まではインターンの学生も所属していました。
2024/03までは4人、2024/04以降は3人、専任のメンバーは2人と人数としては少ないチームとなっています。
チームの成果
2024年3月から始動した新チームですが、約半年で様々な成果を出すことができました。
ここではその一部を紹介します。
ChatAIの改修
ChatAI のチャンネル利用解禁
元々ChatAIとはDMでしか会話出来なかったのですが、チャンネルでも会話できるよう改修を加えました。 これにより、以下のようなことができるようになりました。
- スレッドの会話の要約
- チャンネルで発生した疑問を気軽に聞く
- 他の人がどのような使い方をしているのか知る
新モデルの展開
ChatAIでは今まで以下3つのモデルを展開していました。
- GPT-3.5
- ChatGPTの3.5が利用できるモデル
- GPT-4
- ChatGPTの4が利用できるモデル
- GPT-4(INTERNAL)
- 社内のConfluence、ヘルプデスクにある情報を学習させたモデル
これらに加え、Closed Modelというモデルの展開を始めました。
Closed Modelでは特定の組織や部門に閉じた情報を学習させることが出来、閲覧できるユーザーも管理者が自由に管理できます。
このモデルにより、部署外の人には見せたくない情報を学習させつつ、ChatAIから情報を聞き出せるようになりました。
IT戦略KPIツールの改修
PC追加・交換申請レポートの改善
元々 KPI ツールには「PC追加・交換申請レポート」というページがありました。
このページでは、PCの追加・交換に関するKPIを表示していました。
しかし、DeNAの社員が使うPCには標準機とカスタム機の2種類があり、それらは申請からPCのお渡しまでの時間や手続きが大きく異なります。
そこで、これらの申請をまとめて表示していた「PC追加・交換申請レポート」を、「標準機申請レポート」と「カスタム機申請レポート」の2つのページに分割し、より実態に近いKPIが計測出来るよう修正しました。
ヘルプデスク業務のユーザー待ち時間の可視化
ヘルプデスクのKPIではユーザーの待ち時間を表示していたのですが計測対象になっていたのは以下の2つでした。
- チケットが「新規の状態」になっている時間
- チケットが「オープン」になっている時間
これら2つは「ヘルプデスクがユーザーにどのくらいの時間で返信したか」(要は即レスできているか) を確認出来る時間です。
EXGとしては、実際ユーザーがどのくらい待っているかを知りたいので「待機状態のチケット」も計測対象に加えてほしいという要望がありました。
待機状態のチケットは「MTGを設定済みでそこまで動けない」「ヘルプデスク外に依頼し、調査している」といった状態のチケットに設定されるステータスです。
チケット担当者のみでの短縮が難しい時間ですが、ユーザーが待っている時間ではあるため、このステータスを加えることでより実態に近い待ち時間を表示できるようになりました。
おわりに
この記事ではDeNAの情シスであるIT戦略が行っている新たな取り組みについて紹介しました。
今後の方針としては、現在ユーザーがいる2つのシステムについては、保守運用を引き続き行い、機能追加も行っていく予定です。
とくにChatAIに関しては、ユーザーから様々な要望を頂いているので、実施するメリットやかかる工数を考えつつできるかぎり対応していきたいと思っています。
新たに開発しているシステムについては引き続き開発を行い、予定どおりのリリースを行いたいと思っています。
また、スタートしてからの半年は新システムやChatAI、KPIの開発に力を入れていたこともあり、EXGへ出せるvalueについては伸ばせる余地があると考えています。
より一層EXGへのvalueという面を意識しつつ、引き続きDeNA内の業務を楽にするためのシステム開発を行っていきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
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