エンジニアリング室のeveresです。
私自身があまり詳しくない技術領域の社内勉強会 GCloud Monday を2年以上継続して開催してきました。
※ 詳しくない=勉強会で行われたクイズ大会で2回に1回はビリになる程度の詳しさ
社内勉強会の継続に関して、大切だなと気づいたことがありますのでGCloud Mondayの紹介とともに紹介します。
これから社内勉強会を始めようとしている人や、社内勉強会を開催しているけれど思ってたより重いなと感じている人のお役に立てば幸いです。
GCloud Mondayとは
隔週の月曜日に社内で行われているGoogle Cloudに関する勉強会です。 DeNAの社内コミュニティ勉強会は開催曜日が勉強会名に入ることが多く、GCloud Mondayもその1つです。
DeNAの社内勉強会は会社組織に紐づいた事業部勉強会と、事業部などを横断して有志が集まるコミュニティ勉強会とに大別できます。GCloud Mondayはコミュニティ勉強会です。
DeNAの社内勉強会については 2021年のDeNA TechConで紹介しました。気になる方は資料や動画を参照してください。
特徴
GCloud Mondayには社内の他のコミュニティ勉強会とは違う特徴があります。 社内のコミュニティ勉強会といいつつ、Google Cloud社の協力を得て共催しているのです。
Google Cloud社にはコンテンツの提供のほか、社内で共有すると良いDeNAのGoogle Cloud利用事例についてもサジェストをいただいたりしています。Google Cloudの事業での使い方についてもサポートいただいているからこそです。
体制
勉強会の開催週ではない隔週の月曜日に作戦会議を行なっています。
DeNA側は私の他にも金澤が参加しています。金澤はクイズ大会で1位になったりするGoogle Cloud力を持っています。
Google Cloud社からはセールスとカスタマーエンジニアの2名の方がレギュラーメンバーとして作戦会議に参加してくれています。
過去のコンテンツ
参考として、この2年間にどんな勉強会を開催してきたか紹介します。
コンテンツ | 概要 |
---|---|
Google Cloudのアップデート情報 | Google Cloud社のカスタマーエンジニアの方が担当してくれているコンテンツです。1ヶ月分のGoogle Cloudアップデート情報から、DeNAのエンジニアが使っているサービスや興味を持ちそうなサービスについて効率よく共有いただいています。Google Cloud Nextのrecapなども実施いただいています。 |
特定領域の勉強回 | SREやデータベース、特定のサービスなど、DeNAのエンジニアが気になっている領域のスペシャリストをお呼びいただいてお話いただくコンテンツです。 |
モクモク会 | Google Cloud社のモクモク会コンテンツをGCloud Mondayの時間でそれぞれモクモクとやってみるコンテンツです。不明点や気づいた点などを共有したりします。 |
Google Cloud利用事例の共有 | DeNA内でGoogle Cloudを利用しているサービスの事例を共有します。 |
クリスマス会 | 1年を振り返ってワイワイする回です。Google Cloudに関するクイズ大会は、激ムズ問題が混ざっていたりして盛り上がります。問題は普段一緒に開催してくれている人たちだけではなく、Google Cloud社の複数の人が作ってくれているそうです。いつもありがとうございます。 |
勉強会で話題に出たサービス・技術への質問や要望をきっかけに良い効果が生まれていると思います。
質問は、参加者の理解度を上げる助けになるのに加え、質問者が対象の技術に知見を持っていることが他の参加者に伝わり、社内の技術ネットワーキングに役立ちます。
また社内に課題を解決できる仕組みや知見がある場合もあり、その情報を共有するきっかけともなります。これは横断で集まっているコミュニティ勉強会の良さでもあります。
要望は、「ここで少し困った、こうなってくれると嬉しい」といったことを開発陣へフィードバックしてもらえることがあります(GCloud Mondayの場合は直接伝えられますが、そうでなくても要望は伝えると思います)。フィードバックの結果、改善が行われると最高です。
継続のために大切なこと
定期的に開催することが大切です。
隔週開催の2回に1回はGoogle Cloudのアップデート情報の共有回があり、必ず開催されています。 残りの1回は、ちょうど良いコンテンツがない場合には気軽にスキップをすることにしています。 アップデート情報共有回のようなものがなく毎回スキップをし続けると、いつの間にかフェードアウトしてしまうこともあるため、定期的に開催することが大切なのです。
技術はアップデートされつづけることが多いため、アップデート情報の共有を定期コンテンツにするのは理にかなっていると思います。 そもそもはアップデートされ続けるからこそ勉強会が開催されているともいえますが。
ただし、アップデート情報を追い、参加者が興味を持つように伝える、疑問点が出たら答えられるようにしておく、答えられないものは次回までに調べたりすることはコストがかかります。
GCloud Mondayの場合は前述した通りGoogle Cloud社の協力を得ています。Google Cloud社の 仕事としてGoogle Cloudのアップデート情報のキャッチアップが行われ ています。
逆に言えば、通常はアップデート情報のキャッチアップ役の人がそのコストを持っているのです。また、アップデート情報のキャッチアップを1人に任せてしまうと、その人が参加できなくなった場合にたちいかなくなってしまいます。
ですから、最初から複数人に冗長化してローテーションをしたり、1人の場合にもその人が参加できなくなったら他の人に代わってもらえるようにしておくことが大切です。つまり、仕事としてやってもらうことが大切ということです。
「勉強会を開催してそこに参加する人の時間を業務として扱って良いか」の承認をとる他に「勉強会の準備のための時間も使うこと」の承認もとっておきましょう。
詳しい人が開催していると、アップデート情報のキャッチアップが勉強会と関係なく行われている状態となっていて、勉強会の準備のためのコストについて気づかないこともあるのではないかと本エントリを書きました。
失敗したこと
アップデート情報の共有回のおかげで継続できる形になっていますが、一方で失敗したこともあります。
それは、利用事例の共有スピードです。最初の頃は勉強会1回で3コンテンツを消費するなど、片っ端から話してもらってしまったことで話してもらえる事例が枯渇し、一時期はアップデート情報の共有回だけが続く状況になってしまいまいした。
新たな事例が共有できるまである程度の期間を要しますし、発表準備にもかなりのコストがかかります。アップデート回以外はスキップ上等の気持ちで、計画的に発表をしてもらうべきでした。
今後は
最近はまた利用事例の共有回を行えています。同じ失敗を繰り返さず、継続していければと考えています。
PS 新たな試みとして、私が急に音信不通になる、というのはどうでしょう。故意に障害を起こしてみるとそのシステムの耐障害性をテストできる、といった手法があるじゃないですか。え?私の音信不通は障害にあたらない?
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
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