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DeNAのエンジニアが考えていることや、担当しているサービスについて情報発信しています

2022.01.06 カルチャー・環境

2022年新春CTO振り返り

by Atsushi Kobayashi

#deq #branding #training

あけましておめでとうございます。 DeNAのCTO小林( @nekokak )です。

この記事では2021年を振り返ろうとしたのですが、 物事には連続性があり、2021年だけ切り取っても分かりにくいと思いますので、 私がCTOになった、2019年4月くらいから行ってきた取り組みを簡単なまとめ的に書き起こし 読んだ方に何かしらの参考になればと思い書きます。 一つ一つの取り組みの詳細をもっと聞きたい!って場合はTwitterなどでご連絡くださいw

簡単に自己紹介など

私は2011年3月に中途社員としてDeNAに入社しました。 かれこれ11年弱と、結構長く同じ会社に所属しています。 今までは長くても丸4年位で転職していました。ちなみにDeNAは4社目になります。

DeNAではソーシャルゲームプラットフォームのサーバーサイドエンジニアとして活動を始めました。 マネージメントは元々興味がなかったのですが、誰かがやらなきゃいけない状況になりまして、 途中からマネージメント中心の業務にシフトしていきました。

ちなみにエンジニアはマネージメントを避けがちだと思いますが、 やってみるとそれはそれで面白いし勉強になるので、食わず嫌いをせずにチャレンジできる機会があればやってみるといいと思います。

その後は大規模協業案件の立ち上げを複数経験させていただき、 2018年4月から現在までシステム本部という横断組織(AIとかInfraとかセキュリティとかとか)を担当しております。

CTOは2019年4月からで、今期が3年目となります。本当にアッという間に時間は過ぎていきますね。

ちなみにモットーという程では無いのですが、 「やるべきこと、やったほうが良いことを全てやる」タイプの人間です。 なので、やることいっぱいあるので大変です。 誰か一緒にやりませんか?

ちなみに私のメインミッションは 「エンジニアにとって魅力的な会社にし、モノづくりの底力をあげる」 です。

ただ、モノづくりの底力を上げるにはエンジニアだけにフォーカスしてはいけませんので、 s/エンジニアにとって/モノづくりに関わる人達にとって/ とupdateしています。

DeNAでの働き方のupdate

多くの方に様々な影響を与えた新型コロナウイルス感染症ですが、 我々の働き方も大きく変化が起きました。 一気に10年くらい進んだ気がしますね。

社員の安心と安全を出来るだけ守る為に、基本的にはリモートワークを推奨する形となっています。 これは緊急事態宣言が解除された現在でも同様です。 一部出社が必要な業務もありますが、できるだけ感染対策に気をつけた働き方を工夫してもらっています。

はじめの頃は、多くの人が自宅からVPNをつなぐなどしたため、キャパシティーオーバーしてしまうなど ちらほら問題はありましたが、日々問題を解決していき、今ではとても快適です。 問題が発生しても即時に対応に動き、みんなの働く環境の改善を続けてくれているバックオフィスの方々には常に頭が下がります。

採用での変化

リモートワーク中心の働き方をかれこれ2年位続けていますが、採用においても変化がありました。 昔は出社前提での採用でしたが、最近では業務上必要があれば出社してもらう前提で、 日本国内であれば基本何処に住んでいても良いという形を取っていますので、 東京近郊以外の採用ができるようになったのです。

実際に名古屋在住の方を採用できたり、今も神戸に住んでいる人も居たりします。 そして業務上なにか問題があったという報告も聞いていません。

実際問題、いろいろな人とzoomなどでミーティングしていても、 誰が何処に居ても全く影響ないですし、むしろみんなのQOLがバク上がりしてる気しかしません。

元々、東京近郊に住んでいた人も、これを期に地元に帰ったりされているケースもありますが、 先日のミーティングでも窓の外は銀世界で羨ましさしかありませんでした。

オフィスの私の部屋から見える景色も負けてはいませんけどね!

ちなみにDeNAは2021年8月に渋谷ヒカリエから渋谷スクランブルスクエアにオフィス移転をおこないました。 新しいオフィス環境はとても快適です。 オフィス移転については

こちらをご覧いただければと思います。

チームコミュニケーションでの変化

リモートワークの問題の代表例といえば、 ちょっとしたコミュニケーションの取りづらさ。というのがよく言われると思いますが、それはDeNAでも同じです。 各チームで色々と工夫がなされており、足りないコミュニケーションの質と量をどのように補うかは 引き続き試行錯誤していくことになるのですが、その中でもちょっとおもしろかった話があります。

とあるエンジニアマネージャーから、「感染症対策に気をつけながらだが、メンバー同士の懇親会をやりたい。 特に中途入社した人のオンボーディングも兼ねて。なので会社で費用負担してくれないか?」という相談がありました。

私はソッコーでOKを出したのですが、意外だったのが、そのチームはもともとコミュニケーションがタンパクというか 必要以上にお互い入り込みすぎないような気質のチームだったのです。 なので費用負担云々よりも、そのチームの考え方がどのように変わったんだろう?という方が興味の対象となりました。

話を聞いてみると、何気に2年位まともに顔も合わせていない、直接話もしていない、 業務遂行に多大な支障をきたすわけではないが、ヤッパリちょっとさみしい。と思ったそうです。

非日常が日常になったことにより、普段から得られていた何気ないコミュニケーションの大切さに改めて気付かされたなぁと感じました。

DeNA Engineer Quality

2020年にモノづくり体制を強化する為、DeNA Engineer Quality(DEQ:デキュー)というものを明文化しました。 DEQを作った背景とかは以下の記事を見ていただければと思いますが、その後DEQを元にいくつかの代表的な取り組みがあるので簡単に紹介してみたいと思います。

プロジェクトマネージャー研修

DEQの考え方の一つに、人の成長に投資をする、支援をする。というものがあります。 その一環でプロジェクトマネージャー研修を行うようになりました。

今まで私自身、数多くのプロジェクトに関わってきましたが、 うまく行くプロジェクトとそうじゃないプロジェクトを比較したときに一つ大きな共通点を見つけました。 それはプロジェクトマネージメントがちゃんとできているか否かであるということでした。

プロジェクトマネージメントを体系的に学んで実践している人と現場で覚えただけの人では プロジェクトの変化への対応力が全然違います。

これからもDeNAは数多くのプロジェクトを走らせていくことになりますし、全て順風満帆なプロジェクトばかりではないと思います。 一つ一つのプロジェクトの精度を上げていく為にも、プロジェクトマネージメントのスキルを底上げする必要性を感じ シニアなプロジェクトマネージャーに研修コンテンツの設計を任せ、これまでに複数回の研修を実施しています。

プロジェクトマネージャー研修は PMBOKをベースにした研修とアジャイルやスクラムをベースにした研修を組み合わせており、 ハイブリッドなプロジェクトマネジメントができるようになる設計となっています。

実際に参加した方の満足度も高く、社内に広く参加募集を投げかけているのですが、 毎回定員を超える応募があり、引き続きこの研修のニーズの高さを感じています。 今期で2年目になりますが、来期もこの研修を更にブラッシュアップしつつ継続していきたいと思います。

CTO室の活動

CTO室メンバーの活動は全てDEQに則った活動となっています。

代表的な活動として、 社内の至るところから出てくる大小様々な問題をissueとして起票してもらい みんなとオープンに議論しながら改善を日々繰り返しています。 このオープンに議論ってのがすんごく重要ですね。 本当に一歩ずつ進んでいるので、大きくドラスティックな変化ではなかったりはするのですが、 この一歩ずつ着実に改善が進む姿こそ、組織の有るべき姿だと思います。

他には対外的なブランディング強化の為に、DeNA ENGINEERINGというポータルサイトを作ってくれたりと CTO室の活動だけで記事が多数書けるくらいの活動をしてくれています。 https://engineering.dena.com/

CTO室といいつつも、私から細かいオーダーを飛ばすことはほぼ無く、 DEQという共通理念・共通言語を軸に自分たちで考えDeNAのモノづくり環境を少しでも良くしていく為に活動してくれています。

私はCTO室メンバーと定期的にsyncする時間を設けてはいるのですが、 業務の進捗状況を報告するような会ではなく 情報共有や私のやってることを雑談的に話をしたりと 考えている事とか、思いをsyncする時間としています。

と、ここまで書いて改めて、CTO室って本当の意味での自律型組織になっているなぁと思いました。 すごいやん。 今後とも宜しくお願いします!

採用とブランディング

DeNAでは新卒採用、中途採用とどちらも注力しています。 ここではそれぞれ取り組んでいることを紹介してみます。

新卒採用

DeNAの新卒採用は元々人事任せというか、エンジニアは面接官とかアトラクトでは参加するけど、以上。って感じでした。 2018年の10月頃に新卒採用チームから相談を受けて軽く壁打ちをしている中で、 課題感を強く感じ、人事と相談の上、新卒採用強化の為の取り組みを始めました。 それが新卒エンジニア採用Committeeです。

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エンジニア採用を人事任せにするのではなく、自分たちと一緒に働くミライの仲間を自分たちもしっかりと関与して採用する。 その為の取り組みです。

とはいえ、採用強化といってもすぐに大きく変化できるわけでもなく、 まずは大きな戦略を描きました。

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Committeeを立ち上げたタイミングでは19卒の入社前かつ20卒の採用活動は既に始まっており、 そこで大きなプロセスの変化をすると混乱することが目に見えていたので、議論を

  • 19卒の配属/育成に関すること
  • 20卒の採用活動のチューニングと21卒採用活動に向けた準備

を中心に行いました。

また、Committeeだけで議論するのではなく、分科会を設け採用に関心を持つエンジニアを巻き込みながら 選考基準や選考方法を策定していきました。

これにより選考プロセスや基準がかなりブラッシュアップされ、 また各プロセスに関するドキュメントもびっくりするくらい丁寧に整備されており、 選考に関わるエンジニアがみんな同じコンテキストで選考にかかわることができるようになりました。

選考プロセス上では、私は最終面接で学生さんとお話するのですが、 学生さんから、DeNAの選考が面白かった!と言っていただく事があり、 そういった魅力的な選考ができているのは、DeNAのエンジニア陣が時間をかけて検討したお陰です。

今は23卒の採用を行っています。 Committeeでの取り組みの集大成的な感じで採用活動を行っているのですが、とてもいい感じです。 もちろん課題はまだまだありますが、背骨がしっかりしてきた感じで これからのいろいろな変化にも十分対応できるようになってきていると感じています。

中途採用

DeNAでの中途採用は全社一括採用ではなく、事業部採用という形態を取っています。 入社する方はもちろんDeNA全体の社員であり、他事業部への異動も可能ですが、 DeNAで扱う事業領域が多岐に渡るので、ちょっと非効率な部分はあるが、 より事業内容に訴求しながら採用できることもあり、そのようにしています。

ただ、採用活動をしていく中で、もっと全社視点で連携したほうが良いこともあるよね。 ということで2020年の10月頃から採用タスクフォースという仮想組織を立ち上げ、 CTOと事業部採用担当者とが連携をし、共通施策の検討や、課題の共有と解決を行う取り組みを始めました。

これにより、お互いの事業部での採用ニーズを解像度高く共有・理解できたり、 採用エージェントさん等との連携強化、採用イベントの連携、社内向け採用施策の検討・実施と 横の連携をするからこそできることを数多く行うことができました。

ちなみに新年のこのブログを書くことになったのも、このタスクフォースの取り組みの一貫で CTOの目線で会社のやってることとか考えていることを発信してほしい!という リクエストを受けて執筆しております。 果たしてリクエスト通りの執筆になっているのでしょうか?!

新規事業開発組織の組成

2022年1月からCTO直轄の新規事業開発組織を立ち上げることになりました。 DeNAは既に複数のドメインでの事業展開を行っていますが、 更に色々なチャレンジをするために立ち上げる組織です。 今までDeNAでやってこなかったドメインでの0->1やMVPなどを高速にまわし、DeNAクオリティで実現していくチームになります。

DeNAの今やってる事業領域はあんまり興味無いんだけど、 0->1で事業立ち上げをやるとか、CTOと蜜に連携しながら取り組むとかちょっとおもしろそうやな。 って思ってくれたそこのあなた!是非一度お話しましょう! ( @nekokak )にDMください!

今はまだおおっぴらには言えない話が多いのですが、 DeNAだからできる面白い事業をこのチームで新たに生み出していきたいと思っています。

ちなみにこの組織はデザイナー以外の職種の方を大募集中です。 エンジニア、プロジェクトマネージャー、プロダクトマネージャーなど モノづくりに関わる仕事をされている方で、面白そうだけど自分は対象なんだろうか?って人も是非ご連絡お待ちしております。

期間限定でMeetyを立ち上げましたので、踏み込んで話を是非聞いてみたい!って方お待ちしております。
https://meety.net/matches/AxTXHnpfxyAy

CTOとして3年やってみて

もうすぐでCTOになってから丸3年になります。 スマートにできた事なんてほとんど無いし、汗水たらしながら多種多様な課題に向き合い、常に全力で取り組んで来れたのは みんなが課題に共感しながら一緒に取り組んでくれたからです。本当に恵まれてます。 私一人では絶対にこんなに色々できなかった。 ぶっちゃけ面倒くさいことも一杯あるんですけど、それを上回るくらい楽しくワクワクする経験をさせてもらっています。

私のミッションである 「モノづくりに関わる人達にとって魅力的な会社にし、モノづくりの底力をあげる」 はまだまだ道半ばですけど、間違いなくいい方向に向かっていると思いますので着実にやっていきます。

この3年はどちらかというとサポーティブな感じでの守りの活動が多かったのですが、 今年からは新規事業開発組織を作ることもあり、守りもCTO室中心に取り組みながら 攻めの取り組みでミッションの達成に向かっていきたいなって思っています。

CTOとはこうあるべき!という意見は様々あると思うのですが、 私は、みんなと汗水たらしながら駆けずり回るCTOでありたいと思っています。 ってことで、今後とも皆さんよろしくお願いします!

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
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