こんにちは。ゲーム事業本部開発基盤部の池田です。
去る2月10日、DeNAは技術カンファレンス「
DeNA TechCon2017
」を開催しました。
全4回に渡る振り返り記事も本記事で最後となります。
今回は、筆者が聴講した以下のセッションの内容を紹介します:
- Bステージ「AndApp開発における全て」KOBAYASHI ATSUSHI
- Dステージ「DeNA内製ゲームエンジンの現状と目指す未来」ERA KAZUTAKA
また、最後のレポート記事ということで、カンファレンスのクロージングの模様なども合わせてお伝えします。
AndApp開発における全て
オープンプラットフォーム事業本部システム開発部のKOBAYASHI ATSUSHIは、2016年11月にローンチされた AndApp というサービスの舞台裏について発表しました。
AndAppはスマートフォン向けゲームをPC上でプレイできるプラットフォームで、2017年3月現在、15タイトルが配信されています。
そのサーバサイドのシステムは、従来のオンプレミス環境のサービスとは異なり、
Google App Engine Standard Environment
(以下、GAE SE)上で動作しています。
また、開発言語も従来のPerlとは異なり、GAE SEで利用可能なGo言語が採用されました。
講演の前半では、AndAppの開発の中で、どのように技術選定を行って上記の構成となったかを述べました。その大きな理由の1つとして、開発・運用する上で絶対に必要な工数以外は、サービスを作る工数に当てたかったから、という点が挙げられました。
後半のトピックは、AndAppのシステムアーキテクチャや開発体制、コストについてでした。
アーキテクチャとしては機能単位でコンポーネント化するMicroservices構成が取られ、それに合わせて、少人数チームを数多く作る開発体制が取られました。
Microservicesとして、本講演時点で26のサービスが稼働しています。
講演のまとめの中で、既存の技術や運用にとらわれずにモノづくりに集中できる環境を作ることの重要性が述べられました。
最後に、「一番大切なことは、めいっぱい楽しむこと。ワクワクしよう!」と締め括られました。
スライド資料
DeNA内製ゲームエンジンの現状と目指す未来
Japanリージョンゲーム事業本部開発基盤部のERA KAZUTAKAは、DeNA内製ゲームエンジン「Lift Engine」の現状と目指す未来について発表しました。
Lift Engine®は
Cocos2d-x
をベースとして、ゲーム開発において不足していた機能を実装し、最適化を施した内製ゲームエンジンです。
採用タイトルとしては、「
デナレンジャー
」や「
ガールアックス
(
*1
)」があります。
2DゲームエンジンとしてのLift Engineの紹介の後、Lift Engineを3Dゲームエンジンとして使うための取り組みについて、説明しました。
Lift Engine 3Dで新規に実装した機能として、コマンドバッファを用いてレンダリングを専用スレッドで行うレンダリングパイプライン、コリジョン判定やSIMD対応した行列演算を含む算術関数、独自クラスを用いたシリアライザなどが挙げられました。
「Arcana」は、Lift Engine 3Dと共に用いられるゲーム開発のためのアプリケーションフレームワークです。
Lift Engine 3Dでは汎用的・基本的な機能の提供に留め、上位レイヤに位置付けられるArcanaによって、よりゲーム機能の実装に即したモジュール群や、ゲームの作り方を規定する仕組み等を提供します。
講演のまとめの中で、「面白いゲームを作るためには、品質向上に時間を割くことが重要」と述べられました。
今後のLift Engine 3Dでは、まずはゲーム開発のトライ・アンド・エラーの周期を短くすることに注力し、開発・運用効率の最大化を目指していきます。
スライド資料
クロージング
カンファレンスを締め括るクロージングでは、今年も弊社取締役の川崎が登壇し、総括と謝辞を述べました。
以前のDeNAでは、レガシーな技術にこだわって使い続ける傾向もありましたが、最近はユーザにより大きな価値を届けるため、新しい技術も積極的に採用しています。
本カンファレンス全体を通して、そのようなDeNAの技術に対する姿勢が伝わったなら幸いです。
昨年に続いて今年も会を開催できただけでなく、昨年を上回る規模のご来場を頂けたことを嬉しく思います。
この場をお借りして、御礼を申し上げます。
特にカンファレンスに足を運んで頂いた方々については、誠にありがとうございました。
本記事執筆時点では、まだ各セッションの動画は公開されておりませんが、追って
TechConのサイト
にて公開を予定しています。
Twitterの公式アカウント
や
Facebookページ
による案内をお待ち下さい。
それでは、来年もTechConでお会いしましょう!
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
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